保険適用の矯正治療
保険が適用される歯科矯正
健康保険が適用されるのは、厚生労働大臣が定める53の疾患です。この疾患の症状に該当する方、または該当する可能性がある方は、あらかじめ口腔外科などの医療機関を受診することで、矯正費用が保険の対象となります。
先天性異常
- 唇顎口蓋裂(がくこうがいれつ)
- ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症(さいきゅういじょうしょう)を含む。)
- 鎖骨頭蓋骨異形症
- トリーチャ・コリンズ症候群
- ピエール・ロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセル・シルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- 顔面半側萎縮症
- 先天性ミオパチー
- 筋ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァンクレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン症候群
- マルファン症候群
- プラダー・ウィリー症候群
- 顔面裂
- 大理石骨病
- 色素失調症
- 口腔・顔面・指趾症候群
- メビウス症候群
- 歌舞伎症候群
- クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- ウイリアムズ症候群
- ビンダー症候群
- スティックラー症候群
- 小舌症
- 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
- 骨形成不全症
- フリーマン・シェルドン症候群
- ルビンスタイン・ティビ症候群
- 染色体欠失症候群
- ラーセン症候群
- 濃化異骨症
- 6歯以上の先天性部分(性)無歯症
- CHARGE症候群
- マーシャル症候群
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ポリエックス症候群
- リング 18 症候群
- リンパ管腫
- 全前脳胞症
- クラインフェルター症候群
- 偽性低アルドステロン症
- ソトス症候群
- グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
※当院では上記の先天性異常の中でも、(1)、(6)、(8)、(41)、(45)の矯正歯科治療を多く行っております。
顎変形症
顎変形症(がくへんけいしょう)とは、顎の骨が上下で大きなずれを生じている、骨格が原因で顔の左右が非対称になるなどして、かみ合わせが悪くなる不正咬合(ふせいこうごう)が起こる病気です。多くの場合、幼少期には異常が見受けられず、顎が成長するとともに、不正咬合の症状が出始めます。
顎変形症は遺伝的な要素が原因で発生することが多数とされていますが、乳幼児期の下を突き出す癖や指しゃぶりが原因という説もあります。また、顎変形症が就寝中のいびきの原因になることもあります。
顎変形症の治療として歯科矯正をする際に、保険が適用されるには、いくつか条件があります。まず、顎口腔機能診断施設に指定されている医療機関で、顎変形症の診断を受けることです。そして歯科矯正と併用して、顎の骨を切るといった手術をする外科的矯正術を受けた場合に保険適用になります。
永久歯萌出不全に起因した咬合異常
幼少期には、乳歯と永久歯が生え変わるので、歯が何本も抜けている子供の笑顔を見ると愛らしいと思うことがあります。通常は、6歳頃から永久歯が生え始め、12歳頃までに生え揃います。しかし、中にはいつまで経っても永久歯が生えてこないケースもあり、この症状を永久歯萌出不全と言います。
先天的な原因で、もともと永久歯が作られていない場合もありますが、歯茎の中に埋伏歯として埋まってしまい、自然に生えない状態になっていることもあります。
そのような症例では、歯茎を切開して歯を引き出す埋伏歯開窓術という手術が有効です。前歯の永久歯が3歯生えてこない永久歯萌出不全で、埋伏歯開窓術をして、あわせて歯科矯正をする場合、歯科矯正の治療費も保険適用になります。
なお、これら保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。
この保険医療機関の名簿に関しては、地方厚生局ホームページに最新の情報が掲載されております。
検索方法
下記のキーワードを利用して検索してください。
- 「地方厚生局」8つの厚生(支)局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/ から、ご自身の地域の厚生(支)局のホームページにアクセスしてください。
- サイト内検索に「施設基準届出受理医療機関名簿」を入力
- 県別の受理医療機関より歯科のPDFを探す
- そのPDFから「矯診」あるいは「顎診」の指定医療機関を探す
「矯診」歯科矯正診断料算定の指定医療機関:上記①、②が保険適応される医療機関
「顎診」顎口腔機能診断料算定の指定医療機関:上記③が保険適応される医療機関
田中矯正歯科は歯科矯正診断料算定の指定医療機関と顎口腔機能診断料算定の指定医療機関の両方の認可を受けております。また、外科手術を伴う矯正治療に対して実績のある医療機関として「鹿児島大学病院」「鹿児島市立病院」「いまきいれ総合病院」等が連携医療機関であり共同利用の医療機関として登録されております。
保険適用後の負担額
保険治療の場合は、治療をするごとに治療費を支払うことになるので、歯の状態により通院期間や通院回数が増えれば、治療費が必要になります。保険適用後の負担額は、一人ひとりの歯の状態、矯正治療の方法や年齢によっても異なります。